WorkShiftInstitute

株式会社ワークシフト研究所

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日本キヤリア株式会社 Women’s Empowerment 代表者様インタビュー ~活躍する舞台は自らの手で作る!限られた時間で着実に、組織風土を変えていく~

キヤリア・グローバル・コーポレーション(キヤリア)は、近代空調を発明したウイリス・キャリア博士が1915年に設立。今日では全世界180の国と地域で、一日当たり5億人に空調ソリューションを提供しています。日本キヤリアはその一員として、気候変動対応、カーボンニュートラル、再生可能エネルギーの必要性に応えるべく、「人と地球のために大切なソリューションを提供する」というビジョンのもと、サステナブルな製品群を世に送り出しています。 日本キヤリアは、2022年8月にキヤリアの一員となったことを契機に、翌年Carrier Japan I&Dカウンシルを発足。米国本社と連携し、belongTMというテーマの下、「インクルージョン&ダイバーシティ(以下I&D) 」を推進しています。インクルーシブな企業文化醸成を進めるための従業員リソースグループの発足と運営、メンターシップ制度の導入、アライシップに関する社内啓発など、さまざまな活動を展開しています。女性活躍推進をテーマにした活動の1つ、従業員によるリソースグループWomen’s Empowermentを率いる、代表の西雪絵様にお話しを伺いました。(取材:2025年2月)

  • -御社の女性活躍推進やダイバーシティ推進に関する取り組みについて教えてください。

    弊社では2022年8月にCarrierの一員となったことを契機に、2023年5月Carrier Japan I&Dカウンシルを発足しました。米国本社と連携し、社員すべてが尊重されていると感じ、本来の自分を発揮できる職場環境実現に向けた _belongTMというテーマの下、「インクルージョン&ダイバーシティ(以下I&D) 」を推進しています。インクルーシブな企業文化醸成を進めるための従業員リソースグループの発足と運営、メンターシップ制度の導入、アライシップに関する社内啓発など、さまざまな活動を展開しています。

  • -西様の担当業務と、ワークシフト研究所の出会いについて教えてください。

    普段は空調事業本部に所属しており、営業およびサービス部門と連携しながら、日本市場向け製品を主とした事業企画と推進責任を担っています。私はその中でも企画担当として、日本市場向け製品に関わる事業計画、価格政策、経費・資産管理、投資計画等の取りまとめを行っています。

    プライベートでは、2015年と2018年に産・育休を取得しましたが、第1子の復職時の苦い経験がワークシフト研究所との出会いに結び付いています。会社と保育園が徒歩圏内だったので時短は取得せずフルタイムで復職したのですが、育児をしながら仕事をするという事への予備知識が何もない状態だったこともあり、子供の体調に振り回されるまま思い通りにいかない毎日でした。第2子復職後には同じ轍を踏んではならないと思い、ワーキングマザー向けの勉強会をネットで検索したところ、ワークシフト研究所の「育休プチMBA」を拝見したのが始まりです。同じ境遇の方々とのグループディスカッションを通じて得られる気付きは学びの宝庫で、参加を重ねるうちに視座を高く持つ重要性を知ることが出来ました。

  • -Women’s Empowermentで国際女性デー講演を企画した背景を教えてください。

    私が主導している従業員リソースグループWomen’s Empowerment(以下、WE)は、女性活躍推進をテーマに活動しています。グループが発足した2022年当時は女性活躍推進についての弊社における知見が乏しい状況でまず基礎知識を得る必要があり、2023年3月の国際女性デー記念講演会では国保先生(ワークシフト研究所 所長/静岡県立大学准教授 国保 祥子)にご講演をお願いしました。弊社初となるイベントでしたが、対面とオンラインで合わせて約400名の従業員が参加し、事後アンケートでは「女性活躍推進に対する理解が深まった」という回答を数多く得ることが出来ました。2回目となる2024年には、講演会だけではなく、こちらも弊社として初の試みとなるオンライン読書会を月次で開催しました。読書会では小早川優子さん(ワークシフト研究所 代表取締役社長)の著書「なぜ自信がない人ほど、いいリーダーになれるのか」をテーマ本として、自信のなさを強みに変えるマインドセットを参加者で共有させていただきました。

  • -企画から実現までの流れで、苦労した点などはありましたか。

    WEという取り組み自体が新たな試みだったことに加え、弊社のWEの活動はメンバー各自が有志で業務時間内に実施するのが前提となっています。そのため、日々の業務を滞りなく遂行する一方で、WEの活動をプラスアルファでこなしていくことが時に困難に思える局面もあります。そのような中でも熱意を失わず取り組めるのは、弊社の取締役社長や役員の方々からの公式スポンサーとしてのご支援と、性別に関わらず活躍できる環境を整えたいという強い志に満ちたメンバーの存在ならではと思っています。各人が限られた時間内で活動を実施していくことで、私たち自身の自己管理能力も鍛えられていると感じます。地道な活動が実を結び、WEメンバーが着実に増えている事実もやりがいに直結しています。

  • -講演参加者からの反応はいかがでしたか。感想、アンケート結果などもあれば教えてください。

    参加者からの反応が最も大きかったのは、初回イベントとなった2023年の国際女性デー講演会でした。今までは外の世界の話として耳にしていたインクルージョンや女性活躍というキーワードを、まさか自分の会社で聞くことになるとは思わなかったという声が印象的でした。このイベントを通じ、弊社が今後こうした活動に真摯に取り組むという方向性を全社に周知することができました。

    従業員ひとりひとりが自身の意識や行動を変容していくためには、一過性ではない継続的な取り組みが不可欠だと感じています。参加者の方からも「ぜひ今後も続けて欲しい」という声を多くいただきますし、新たにWEに加入したメンバーからは「加入前と比較して視野が広がった」という嬉しいコメントもいただいています。今後も、より多くの従業員の方々にWEの存在を知ってもらい、性別に捉われない視点を広く浸透させていく目標を掲げ、活動を推進していきたいです。

    WE活動は女性活躍をテーマにしていますが、対象を女性本人に限らず全従業員としており、イベント参加者の方々からのフィードバックを日々いただきます。その中でも多いのは、「インクルージョンとアライシップに対する理解が深まった」という声です。弊社は製造業という背景もあってか、従業員比率で男性主体の企業となっています。そのため同質性が高い環境下にあり、女性活躍推進について議論する機会が限られていたように思います。そこへWE活動という新たなイニシアティブが加わったことで、これまで弊社内で紹介されることがなかった知見を提供する舞台が整ったと感じています。

  • -今後、やってみたいことについてお聞かせください。

    WE活動は主に女性従業員を対象としていますが、最終的なゴールは性別に関わらず活躍できる職場環境づくりに貢献することに定めています。もっとも難しいと感じるのは従業員1人1人の価値観に対するアプローチです。私自身はもちろん、誰もが持つ日本古来の国民性や性別役割に根付いているアンコンシャスバイアスをいかに自覚し、克服し、個々人が持つポテンシャルを引き出していけるかというテーマは多くの企業にとって共通する課題です。この課題解決の一助となるべく、社内への情報発信を継続していくことが、WEのミッションだと認識しています。「千里の道も一歩から」の精神で、今後も着実に活動実績を重ねてまいります。

  • ―これからもご一緒させていただければと思います。ありがとうございました。

  • インタビュー後記

    西様には弊社設立の初期から、「育休プチMBA」をはじめ、交渉学、経営戦略のクラスなど長くに渡り弊社プログラムを受講いただいております。仰る通り、社員による草の根的な活動はなかなか成果が見えづらいものですが、それでも活動を真摯に続けていく姿を大変心強く感じております。講演に向けた打合せの際に、弊社との出会いが契機となったとお話いただいた際は、弊社一同励みとなりました。有志メンバーが増えることや、講演参加者からいろいろな意見・感想が出るのは、ひとえに西様のお人柄もあると思います。インタビューを担当いただいた西様、ありがとうございました。(講師:小早川 優子、担当Y)