働き方改革のための経営学 ~女性活躍と生産性向上における職場マネジメント~Vol.1

6月に慶應丸の内キャンパスで行ったオープンセミナー
「働き方改革のための経営学 ~女性活躍と生産性向上における職場マネジメント~」
の内容を4回にわたり、コラムでご紹介いたします。

Part1 これまでの働き方と働き方改革

高度成長期の日本社会は、「性別役割分業システム」で円滑に動いてきました。時間の制限なく働く男性を中心とした同質性の高い組織による運営です。会社の一声で、残業・転勤が可能な社員、いわゆる「無制約社員」を対象とした職場管理、人事管理、人材育成の設計が、これまでの職場マネジメントのベースとなっています。

そして職能資格制度(能力主義)に基づいた仕事の3つの「無限定性」(職務内容・勤務地・労働時間の無限定性を受け入れる)も制度の前提として存在します。(筒井,2015)

これは、働く内容・場所・時間については企業の言うとおりにすることと引き換えに、企業は比較的高い賃金と長期雇用を保証する正社員という雇用条件を提供します、という企業と労働者の「暗黙」の契約です。言うまでもなく、「暗黙」の契約における労働時間の「無限定性」が長時間労働と生産性の低さの大きな要因の一つとなっています。

また、日本の国民1人当たりGDPは、OECD加盟34カ国中21位(72,994ドル:2014年)、
1時間当たり労働生産性はアメリカの約6割(41.3ドル:2014年)です。

日本はトヨタ生産方式に代表されるようにオペレーションの生産性の追求は得意ですが、働き方はあまり効率的ではないようです。

日本は社外労働市場の流動性が低く転職が一般的でないために、自社内のやり方に疑問を持ちにくい、他社で実践している効率的な働き方を学ぶ機会がない、そして管理のやり方に問題がある場合でも人が辞めないために気づきにくい、といった理由があるのかもしれません。

一方で、働き手の構成は変化しています。国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年)」によると、生産年齢人口は2060年には現在の約半分になります。
人手不足はすでに懸念されていますが、時間に制約のある「制約社員」を前提とした職場管理をしなければ、組織は破綻します。

 

 

これからは、育児中社員、介護中社員、疾病治療中社員等、時間制約のある「制約社員」を前提とした職場マネジメントをしなければ、働き手を確保できないのです。

 

そのためには、時間を効率的に利用して付加価値を生み出せる働き方への移行が必須です。

組織である以上、目的はあくまで組織の成長ですが、結果的に長時間労働は是正されなくてはなりません。
「働き方改革=長時間労働の是正」にだけ取り組むと、本来の目的を見失うということも起こり得ます。
以下、働き方改革に必要なポイントについて整理したいと思います。

■働き方改革に必要な要素3点

 

Part2では、制約社員の能力を生かす働き方改革の具体例をご紹介します。

 

<株式会社ワークシフト研究所とは>
優秀な女性社員が活躍できる組織とは、当事者の女性だけでなく、すべての社員の能力が発揮できる組織であり、それは、生産性が高く、イノベーションを生み出す組織となります。ワークシフト研究所は、実践的なケースディスカッションを軸とし、女性管理職・リーダーの育成、企業の働き方改革を目的とした各種コンサルティング、教育トレーニングサービス(法人向け・個人向け)を提供しています。

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