チームのエンゲージメントを考える

アラフィフ 博士の経営学研究コラム Vol.8

ワークシフト研究所の講師 兼 研究員の小谷恵子です。2020年最初のコラムです。

ワークシフト研究所
研究員 小谷恵子

青山学院大学の博士課程を修了した私にとって、お正月は何と言っても「箱根駅伝」。
1月3日の復路は、毎年仲間と大手町で応援しています。

大学駅伝は、大学の名を背負い、襷をつなぐ使命を持って走ること。
出場校の大学出身者にとって、駅伝を応援することは、感情を揺さぶられる数時間となります。
今年も素晴らしいチームで、青学は総合優勝を奪還しました。箱根は初という選手が多い中の優勝、選手層の厚さが伺えます。この勝利は、走った10人の選手だけでなく、多くの選ばれなかった選手と共に勝ち取ったものです。


共に練習をしてきた仲間は当日、給水係や沿道で連絡をする係、走り終えた選手のサポートをする係となります。シード校以外は過酷な予選会を仲間と勝ち抜いたチームだけがスタートに立つことができ、10位以内に入らなければ翌年また予選会から走ることになります。

「チーム」という言葉、昨年はよく耳にしました。そう、ラグビーの「One Team」。
青学駅伝のチーム、ラグビー日本のチーム、どちらも素晴らしいパフォーマンスを出したチームですが、どうしたらそんなチームを作ることができるのでしょうか。

良いチームを作るには良いリーダーが必要となります。

では青学駅伝チームのリーダーは、誰でしょうか。原監督?それとも主将の鈴木塁人氏?
ラグビー日本代表チームのリーダーは、監督のジェイミー・ジョセフ氏?それともキャプテンのリーチ・マイケル氏?

実は真のリーダーというのは、外からはわかりません。リーダーは肩書ではないからです。Buckingham & Goodall(Diamond Harvard Business Review 2019 年11月号)によると、メンバーのエンゲージメント*を高めるには、一人一人にチームの一員であると感じさせ、リーダー(肩書とは関係がない)が信頼されていることが重要だということが分かっています。

*エンゲージメントという言葉は、他の概念との差別化が完全に行われておらず、学術的には定義が定まっていないのですが、実務では広く使われており、「従業員エンゲージメントとは、組織の目指すゴールに対する自発的貢献意欲」(岡田・吉田 Diamond Harvard Business Review 2019 年11月号)というのが一つの考え方です。

そしてメンバーが
「仕事上で、自分に期待されていることを明確に理解している」
「仕事で毎日、強みを発揮するチャンスがある」と感じる状態にすることが重要だとしています。

青学駅伝チームの4年生は、原監督から沢山怒られ、ぶつかりあったそうです。でも4年生全員で監督に立ち向かい、監督に意地をみせて頑張るんだという気持ちでやってきたと、主将がインタビューで答えていました。
「部員から信頼され、メンバーに彼らが期待されていることを理解させ、メンバーが強みを発揮するチャンスを作る」その役割を担っていたのは、原監督ではなく、主将や主務だったのかもしれません。
原監督は、箱根駅伝が最終ゴールだとは考えていません。その先の人生で、選手として、社会人として、成功する人生を歩めるような人材を育てるのが監督の仕事だと常々話しています。

そのためには悪者になることもあると。きっと学生たちが自主的にチームを作り、リーダーを務めることを、仕掛けていたのではないでしょうか。また、大学駅伝チームの監督はそれぞれ個性がありますね。指導方法も異なるので、それを研究するのも面白そうです。

では、仕事で、
「自分に期待されていることを明確に理解している」
「毎日、強みを発揮するチャンスがある」と感じる/感じさせるために、どうすればよいのでしょうか。

メンバーのモチベーションやチームの成熟度によって変わってきます。
その意味では、パフォーマンスを出すエンゲージメントの高いチームを育てる方法は一つではない、と言えそうです。少なくとも、リーダーとメンバーの間で期待についての合意が必要ですし、リーダーがメンバーの強みを的確に把握しないといけないでしょう。
家族というチームでも同じことが言えるように思います。自分の家庭を顧みると…上手く機能しているとはお世辞にも言えませんので、今年はこれを抱負にしようかな、と思います。まずは息子と「期待」について話し合うことから。

(了)

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