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2019/2/27

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経営学の知識を「PTA」で応用してみました!

ワークシフト研究所
研究員 小谷恵子

こんにちは。ワークシフト研究所の講師 兼 研究員の小谷恵子(経営学博士課程)です。

亀戸天神、湯島天神など、各地で梅まつりが開催されていますね。
浅草寺の淡島堂の梅も濃いピンク色の花を咲かせています。

思えば、去年の今頃は大変でした。というのも、息子の学校の謝恩会実行委員長をしていたからです。
それまではホテルで謝恩会を開催していたのですが、毎年少しずつ豪華に、会費も高くなっていく傾向にあり、それに懸念を示した学校側から、学校内で開催できないかという打診がありました。

何かを変えるということは、どんな組織でも一大事です。

PTAという組織は、皆さんご存知の通り、かなり特殊です。
ボランティアなので、報酬は発生しません。

子どもという別の存在(利害関係が発生する可能性がある)がいます。学校の先生の多くは正直、PTAには助けてもらいたいけれど、PTAの中のことには首を突っ込みたくはありません。

それでもPTAは、様々なことを学校に確認を取らなければ何も進めることができません。そしてPTAの役員をする人たちのモチベーションは、ピンキリです。
PTAの是非についてはここでは問いません。

要らないと思っても、あるものはあるわけで、子どもという別の存在がいる以上、そう簡単に解決しないからです。
そこで、私は考えました。
「委員になるより、委員長になった方が絶対に楽だ」と。

結果は、ならなかったときと比較できないのでわかりませんが、委員長に立候補してよかったと思っています。一番活用したのは、「リーダーシップ」の知識です。

戦略、プロジェクトマネジメント…など、私が学んで実践してきた経営学の知識を総動員しました。
大変だったかって? えぇ、大変でした(笑)。
でも、自分でどうしようもできない大変さよりも、自分が動けば解決する大変さの方がよいと思いませんか?

委員会での議論を経て、初期段階で、「ビジョン」と「ミッション」を設定しました。
ビジョン: 「子どもたちの成長を確認でき、先生と学校への感謝が伝わる、楽しい会にする」
ミッション: 「最後まで親も子も楽しめて、思い出に残るような会にするために、連携・協力する」
というものです。
この2つに反することはやらない、と決めました。

まぁ、謝恩会ごときで、とおっしゃる方もいるかと思いますが、これは一定の効果があったと思います。保護者も様々で、気の合う人ばかりとは限りません。

しかも、子ども同士の話も入ってくるので、関係は複雑です。
基本的に、皆さん不安要素が強く、能力には「差」があります。都度ビジョンとミッションを確認して、きちんと目的に向かっていることを示し、安心して自信をもって進めてもらうことができたと思います。

「大丈夫」、「できるよ」、「すごいね」。この言葉を何百回使ったことでしょう。
さらに、謝恩会開催の理由は子どもたちが先生に感謝することですので、子どもたちを盛り上げる必要がありました。子どもたちの実行委員会を組織し、目的を共有させ、「ガントチャート」を作りました。プロジェクトの企画と実行という経験値の獲得を、餌にしました。

結果は・・・それは素敵な会でした。

謝恩会を華やかにしたクラスバルーン

先生たちも子どもたちも本当に楽しんでいて、感謝の気持ちにあふれていました。もちろん、いくつかの失敗もありましたが、完璧にやることがミッションではないので、問題なし。終わってみればミスを払拭するほどの完成度だったと思います。

私はビジネスで使える知識は、ビジネスだけにとどまらないと信じています。子どもの学校や地域社会などで、とても役に立ちます。

特に、ケースメソッドで得られる「考える力」をつけることは、とても有効だなぁと改めて感じたイベントだったのでした。
プロジェクトマネジメント、ケースメソッド、ロジカルシンキング、リーダーシップ・・・実践あってこそ生きる知識です。
修羅場があっても、私は動じなくなりました(笑)。

(了)

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