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2020/6/4

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在宅・リモートワーク成功の7つの鍵 Vol.2

管理職・マネジメント編

ワークシフト研究所 代表取締役社長 小早川

前回は1.役割分担、仕事の切り分け についてお伝えしました。

今回は 2.説明力+相手の理解力を確認する力 の重要性についてご紹介します。

2. 説明力+相手の理解力を確認する力

仕事の切り分けにも論理的な説明能力は大変役立ちます。在宅・リモートワークにおいて管理職の説明力が重要であることは、すでに多くの専門家が指摘しています。
説明力の重要性に異論はありませんが、個人的には、説明力よりも相手の理解力を確認する力の方が、リモートワークにおける生産性に大きく寄与すると感じます。

職場で、業務の指示を出した場合、部下やチームメンバーは大抵「わかりました」と返事をすると思います。しかしその1回のやりとりで100%理解する人はほとんどいません(いたらとても仕事のできる方、上司を理解している方です)。中には、1回のやりとりで本質的な質問をする、仮説を持って確認する人もいますが、それができる人も少数です。多くの人は、一度デスクに戻って、業務を進めながら確認してきたり、他の人の業務を見ながら進めたり、同じチームメンバーに「上司にこう言われたけど、こういう解釈であっているだろうか」と質問や確認をしながら進めます。それでも上司の意図を100%理解されることは稀で、90%くらい出来上がった状態を上司が確認して修正し、これらを繰り返しながら完成させる、というやり方が多いのではないでしょうか。

在宅・リモートワークでは、これまでオフィスで無意識にやっていた、雑談を通じて確認する、わからないことが出てきた時に気軽に誰かに聞く、チームメンバーの業務を見ながら自分の仕事を修正する、チームメンバーの意見を聞いて理解を深める、ということができません。

ですから、実際のリモートワークでは、リーダーがどんなに説明力をあげて具体的にわかりやすく指示を出しても、その後に部下から業務の報告がなかったり、ほとんど進んでなかったり、全く違うものを出てくる、ということが起きるわけです。

これはリーダー本人のせいでも部下のせいでもありません。人間の説明力も理解力も限界があるので仕方ないことです。オフィスでは、それでも周囲の状況を見たり、周囲の人に聞いたりしながら仕事することができましたが在宅・リモートワークでは、同じことができない、というだけのことです。

在宅・リモートワークでは、上司からの説明を受けた後は自分の解釈に従って業務を進めなくてはならないため、これまでより仕事を完成させるための情報が圧倒的に少なくなり、途方にくれてしまう可能性があります。

わからないのであればすぐ聞いて欲しい、と上司側は思うかもしれませんが、部下自身は、自分でも「何がわからないか、がわからない」状態に陥っている可能性もありますし、前に聞いたことを再度聞くことに申し訳なく思い、聞けないでいる可能性もあります。

上司の意図を正しく認識できない人がそのままでいる場合、組織の生産性を著しく下げることに繋がりますので、やはり改善が必要です。

解決策として、上司側が業務の説明をした後には、部下自身に次のステップとして何をするか、を説明させるようにしてみてください。部下が何に注意しながら次に何をして、どの状態になったら上司に報告する、というところまで部下が理解する形にしてください。

加えて、部下に「次の報告までどれくらいの時間がかかりそうか」も確認します。

在宅・リモートワークでは、上司側も部下が抱えている仕事量を把握しづらいはずです。部下は今急ぎですべき別の仕事があるかもしれませんし、貴方が指示したまま忘れていた業務をしているかもしれません。別の業務との兼ね合いを考えて、いつまでに仕事ができそうか、を本人に考えてもらうことが重要です。また、これらを確認しておくと、約束の日時を過ぎた時、適切な時に上司から声がけができます。

リーダーの仕事はチームメンバーを活躍させることで組織全体の生産性を上げることです。実際に業務をする人の理解力を向上させることがメンバーの活躍につながります。よって、説明力も重要ですが部下の理解力を確認する力、が直接組織の生産性に寄与することになります。

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次回は 3. いつもより多めのホウレンソウを をご紹介します。

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