ホームユーザーボイス CCCマーケティング株式会社の白田静香さまと、上司の丹尾さまのインタビュー
CCCマーケティング株式会社の白田静香さまと、上司の丹尾さまのインタビュー

CCCマーケティング株式会社の白田静香さまと、上司の丹尾さまのインタビュー

2017.03.22

個人

今回は、2016年の第2子育休時に「育休プチMBA」に参加して復職したCCCマーケティング株式会社・人事部所属の白田静香さまと、人事部長(当時)である丹尾正和さまにお話を伺いました。白田さまは第1子の出産後、丹尾さまのもとで1回目の復職を経験し、その後2年ほど業務をこなした後に第2子を出産、約1年間の育休を経て、2016年10月に同じ部署に時短で復職していらっしゃいます。インタビュー時点では、復職後5か月が経っています。現在丹尾さまは別部署に異動となっておりますが、2回目の復職直後の白田さまと共に業務を行った期間のことを振り返っていただきながら、育休前と復職後の現在を比較しつつお話を伺いました。

―白田さんの復職後の様子はいかがですか?育休前と比べて何か変化は感じますか?丹尾さま 「一番の変わった点としては、組織というか、チームを意識して動いてくれているのを感じています。白田さんには人材育成・教育の部分の人事企画業務と総務業務を担当してもらっていますが、組織で仕事をしていると途中でいろいろな変更やトラブルなどが起こります。例えばサッカーで、なんらかの事情でそのポジションのメンバーが稼動できない、という事が起きた場合、一時的にそのポジションには穴ができる事になるのですが、そうした事態に対して「自分のポジションは、与えられた当初の役割は○○だから、、」ではゲームに負けてしまいます。本来のポジション・役割とは違うけれどもその穴を埋めに行く、そうした動きを自らやってくれるほうになった感じがします。以前は、指示があれば行くという感じだったんですね。それが、ゲーム全体を見ながら『ここはちょっと私が動いた方がいいな』という判断や行動ができるようになった。視座が変わった、変えられるようになった、という事だと思います。自分の仕事を、一人のプレイヤーの視座で見るのではなく、監督の視座で見られるようになった。監督の目線で見ると、ここに穴があるねと判断できるようになっているのだと思いますが、そういう人は頼りになりますし、任せられる領域がおのずと増えていきますよね。」

―他に視座の変化を感じる場面はありますか?丹尾さま 「人事なのでいろんな社員たちとのコミュニケーションが日常的に発生するのですが、そこでの仕事の進め方が変わった気がします。今、会社の中で、女性社員に活躍してもらうためのプログラムを考えているのですが、彼女が中心となってそのプログラムに取り組んでくれています。現場の声をどういう風に企画にしていくか、というところで、個別のヒアリングやアンケートをやってくれたり、現場の生の声をできるだけ吸い上げようと自ら動いてくれています。育休前はどちらかというと自分の思い込みで仕事を進めることが多くて、出てくるアウトプットがずれていたり、指示や修正が多かったりと効率は正直あまりよくありませんでした。ものごとって、視点によって捉え方が違いますよね。それを自分の目線だけで切り取っていると、あとからこういう視点はなかったの、ああいう視点はなかったの、と指摘しなくてはならなかったのですが、2回目の育休から復職したあとは、そういう指摘が明らかに減っていると感じますね。自分なりに視点を切り替えられるようになり、アプローチが変わってきているので、その結果として任せられるところも増えてきているのだと思います。
 あと、上司をうまく使えるようになりましたね。相談の仕方がうまくなりました。以前は自分の視野で仕事をしていたので、相談のタイミングもずれていた気がします。例えば、組織構造的に私から発信した方が現場を動かしやすいといった事もあるのですが、そういうことを彼女がやってしまうということがありました。本人は良かれと思ってやってくれているのですが、逆にあとからフォローが必要になってかえって手間が増える事もありました。特にここ2,3年は人事制度の見直しをしており、社員も人事からの発信については敏感になっており、誤解がないよう非常に気を遣います。ですから、そういった事があると、正直上司としては危なっかしく感じてしまうのも事実でしたね。そういう危なっかしさが復職後はなくなって、以前より安心して任せられるようになったと思います。制度を変える中で、女性に活躍してもらうための企画の一部が10月から始まっているんですけども安心して見ていられます。彼女が企画してくれた、育休中の社員を子連れで招待して先輩ママ社員と交流するプログラムはよかったと思います。従来はそうした機会がなく、会社と育休中の社員とのミスコミュニケーションが発生していましたが、、これから復帰する人は不安が多少減っているんじゃないかな、と思いますね」

―今後育休に入る部下に、育休中にどんなことを学んでほしいと思いますか?丹尾さま 「育休プチMBAのような機会は良いと思います。是非興味がある人には行ってもらいたいですね。どんなことを学ぶか、ですが私見としては、今、業務に直接役に立たなくてもいいのではないか、と思っています。インプットの総量はいろんなところに影響しますし、今、役にたたなくてもまわりまわって後々繋がっていくのではないかと思っています。例えば歴史の勉強も、直接的にビジネスに関わるわけじゃないですが、いろんな視座を得られたりもします。一見関係ないかもしれないけど、自分の中に取り込もうとする行動自体が評価すべきだと思います。心理学とかもおもしろいかもしれないですね。上司と部下も「人」です。また、母親と子供も「人」です。子供ができると、毎日発見がありますよね。人と人の関係がどういうものであるか、アカデミックに体系立てて勉強する、とかおもしろいかもしれないですね。人の感情や行動を学ぶことは、復帰したときに組織に活かすこともできるかもしれないですね。

―ここからは白田さまも同席してのインタビューです。視座が変わったことが評価されていますが、それは実感がありますか?白田さま 「以前から視座があったかなかったかでいうと、『あったつもりでいた』というのが回答です。人事部をこうしていきたいという気持ちは元からありました。ただ、それは私がこの組織の中で求められていたものではなかったというか。今回の育休中に、『組織の中の私が持つべき視座』を獲得したと思っています。なぜその視座を持てたというと、ワークシフト研究所の『交渉』の講座で上司に安心感を与えなければその先はないということを学んだこと、そのためには具体的にどうしたらいいかというヒントをもらったことがきっかけです。育休前から、丹尾さんの安心感をことごとく踏みにじってきたという自覚はありました。ですが、どうすればいいかがわからなかった。課題は認識していたが、解決策がわからなかった。当時は、自分に経験や知識が少なく、説明能力や論理的思考力がないから分かってもらえないのだと思っていましたので、育休中はそういう知識を勉強しようと思っていました。でも、伝わらないのはスキル不足ではなく、視座がないことが原因だということが講座を受けたことで分かりました。実はスキルは大きく変わったという実感はないのですが、コミュニケーションの基本の考え方を学んだことは圧倒的に役に立っています。ですので、自分のやりたいことの前に、上司を安心させることをやろうと肝に銘じて復職しました。それをやらない限り先がないのだから、遠回りに見えても実は近道なのだと思えるようになりました。」

―他に視座が変わったことを実感した場面はありますか?白田さま 「丹尾さんと一緒に『社内の女性の働き方』の仕事を手掛けました。役員にママ社員の日常を知ってもらうために、役員とママ社員と人事で座談会をするという指示だったのですが、『交渉』のクラスで学んだ知識を活かして、丹尾さんとの事前すり合わせ、参加するママ社員とのゴールの認識合わせを丁寧に行いました。以前だったら、経営の方針を作ったり役員から引き出したりするのは部長である丹尾さんの役割だと捉えていたと思うのですが、復職後は、丹尾さんが1つのテーマに割く時間が少ないのは仕方ないから、その部分は自分がフォローするというスタンスを取りました。その結果、育休前とは違い、丹尾さんとのディスカッションが非常に建設的な雰囲気になり、一緒にゴールを探して歩んでいくという一体感を感じました。座談会当日は非常にうまくことが運び、上司の信頼があるとサポートを得られ、サポートがあると仕事がうまく面白く回るのだと実感しました。そしてこんな経験をすると、他の社員より働ける時間が短くても挑戦的な業務を引き受けられる気がしてきました。」

インタビュー後記
育休中にプチMBAに参加したことで上司との関係がよくなったという報告は、よくいただきます。今回の白田さまのインタビューでは、具体的にどのように関係が改善したのかをお聞きすることができました。キーワードは「上司の安心感」のようです。育休中に、組織における自分の役割という視座を獲得したことで上司の安心感を引き出し、その結果としてサポートを得られて仕事がうまく回る、更に挑戦する気持ちになれる、というポジティブなスパイラルが成立しているというお話は、組織の問題の多くはコミュニケーションで解決できるということを実証しています。また、スムーズなコミュニケーションの要諦はスキルではなく視座であるというご感想も、プチMBAが標榜する「マネジメント思考」の重要性を再確認することとなりました。株式会社ワークシフト研究所では、こうした良好な上司部下関係を今後も増やしていきたいと思います。丹尾さま、白田さま、ありがとうございました。 (国保祥子)